2010年4月22日木曜日

肘の手術から20年・・・

 20年前に肘を手術したという人がやってきた。原因は、野球のやり過ぎだったそうだ。その後、右手が使いづらくなったので、左手を使うことが多くなったという。しかし、これは、この人の身体にかなり大きな負担となった。

 20年の間に、左上半身がひどく凝り固まってしまったのである。そのため、脊柱が右に押されて少し湾曲していた。湾曲は、軽度のものなら針できれいに治るが、軽度のものならば、湾曲の治療そのものは目的としない。脊柱両側の凝りを取ったことの結果として、湾曲が治るのである。

 その右肘の治療は20分で終わった。手の曲げ伸ばし、指の動きともに、大幅に改善した。左半身の凝りは、この右手の不自由さに原因があったのだ。

 左半身の凝りは、40分でほぼ取れた。完全に取れるわけはないのだが、大幅に身体が楽になったのである。これに加えて、原因となっている右手の治療をしたのである。この治療を、疲労を感じるたびにやっていると、身体は、だんだん、もとに戻っていく。治療をするとしないとでは、老後の生活に与える影響が、断然違うと思う。

 それにしても、いつも思うのだが、20年という歳月は長すぎる。その間、治療できる人に出会わなかったのである。私が子供の頃は、いまなら名人と言われるような人が、あちこちに、普通にいた。子供の頃、膝を治してくれたK先生は、非常に腕の立つ人だったが、他にも上手な人はいたと思う。

 そういう人が、技術を残すことなく世を去ってしまったのだ。徒弟制度が社会から無くなってしまったからだろうと思う。

 職人の世界では、丁稚奉公の修業時代が必要である。最初から給料を出せと言われては、雇うに雇えない。いずれは、やめて独立開業するのだ。それでは、金を払って商売敵を作ることにしかならない。そんなバカなことをする人はいない。

 20代の頃患った、私のひどい関節炎を治してくれた人は、名もない貧しい鍼師だった。しかし、どこに行っても治らなかった関節炎を、たった七回の治療で治してくれたのだ。私の治療の基本は、この先生の技術である。こうやって治すのか・・・・と感激したのだ。そういうものは、頭に染みついてしまう。

 20年間、肘が悪かった人に行った治療は、この先生の治療法の応用である。このひとは、凝りを取ることに徹していた。だから、私も凝りを取ることに徹している。

 それが、20年、誰も治せなかった肘のこわばりや、身体のゆがみを治すことになるのである。

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