2010年2月8日月曜日

レントゲンの見落としと、針では治らない場合。

 数日前治療にきた男性患者のことだけど、この人、ふたつの整形外科病院でレントゲン検査、MRI検査をしてもらって、軽いヘルニアでしょうから、しばらく安静にしていれば治るでしょうと言われたという。

 こういう人はかなり治療しているので、軽い気持ちで引き受けたのだが、2回治療しても症状が消えない。杖がないと歩けないのだ。「これはおかしい、こんなはずはない」と思って、もう一度、股関節を検査してもらうように伝えて帰ったもらった。

 それから3日ほどして、心配になってこちらから電話をかけたら、なんと「大腿骨が骨折していました」という。たぶん、疲労骨折なのだろうが、病的骨折の恐れもなくはないので、ベッドが空き次第入院することになったという。それまでは、自宅待機・・・

 参った・・・。こちらは、一応、医師の診断を正しいものとして自分の治療をするのだが、画像診断のミスというのは、思ったより多い。ある医師が何枚もレントゲンを撮って異常なしといった人が、別の病院では、1枚のレントゲンで、「あ~、肋骨が3本折れてますね」と言われたケースもある。

 こういうときは、鍼師としても困る。

 おかしい、鍼が効かない、・・・・ひょっとしてレントゲンの見間違いかな? と疑って、別の整形外科で再検査を勧めると、骨折していることがわかったという例は、時々ある。

 もっと困るのは、というか、いくら何でもそれはないでしょう!!というのが、手のしびれを治すのに首の手術をしなければならないと言われた人の場合である。こういう人の治療は、もう、10人以上やっているが、首の手術をせずにみな治った。少なくともしびれは消えた。

 原因は、だいたいは、肘にあることが多い。触診すれば、「これ、首じゃないですよ。肘が原因ですよ」という触診所見が容易に見つかる場合が多いのである。

 もっとも、造影検査をして脊柱管狭窄が見つかった場合などは、「それは針では治りませんよ。症状の緩和はできますが、狭くなった脊柱管を広げることはできませんから・・・」というしかない。



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