両方の股関節が人工関節、おまけに左膝が人工関節という女性がきた。86歳だという。足先にしびれと痛みがあるのだという。見てみると、むくみが生じている。冬はじっとしていることが多い。それでこういうことになりやすいのだが、いま治療をしても、また悪くなるのは目に見えている。
それで、家庭でマッサージをしてもらうように伝えた。リンパ液を流してやればよいのである。難しくはない。
それにしても、病院の手術と、それに比べれば手薄なリハビリのギャップはあまりに大きい。
以前、右膝を人工関節に変えた後、歩けなくなったという人が来た。やはり80歳過ぎの女性である。原因は、骨盤付近の凝りだったので、鍼で治した。4回の治療で、スイスイ歩けだした。
手術そのものは成功していたのであるから、リハビリの不首尾が、名医の手術を隠してしまっていたことになる。
長年の経験で、手術の上手下手は、だいたいわかるようになった。結局、職人的な腕を持っている人がうまいのである。
しかし、手術しなくても、針で治せる場合が相当数ある。私は、8割は治せる。膝にたまった水は、数回の治療でなくなる。しかし、膝を治療できる鍼師はほとんど居ない。
私も20年もすれば引退である。その間に縁のあったわずかな人を治療できるだけである。
リハビリの技術を底上げしないと、名医の手術も人を助けられなくなる。
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