2010年2月13日土曜日

治療と介護のはざまにいるお年寄りたち。

80歳を過ぎた高齢者の中には、治療から介護に移行する人たちが居る。鍼灸院に来る人たちは体はおおむね元気で、ちょっと治療すれば痛みなどがやわらぐ人たちが多いが、骨粗鬆症を患っている場合が多く、骨折が心配になる。数日前に来院した人は、もう、腰が90度に曲がっていて、治療用ベッドの上で寝返りをするのも大変な様子であった。

こういう人は、すでに介護の段階に入りつつある。こちらには、介護の技術はない。下手に抱き起こすのは危険なのである。肋骨など、簡単に折れてしまうから。

それで、この人にはたいへん気の毒だったのだけれども、治療をお断りして、デイケアを併設している鍼灸院を紹介した。

ところが、介護認定を受けていないというのである。それでは、サービスが受けられない。まず介護認定を受けないといけないのだが、そういうことに関する知識がまったくないのである。

お年寄り本人が何も知らないというのは、時折あるが、子供たちは何をしているのだろうかと思う。子供にとって、母親は不死身の存在である場合が多い。いつまでも元気でいてくれるものと思い込んでいるのである。

しかし、客観的に見ると、転んで骨折でもしたら、もう寝たきり、という状態なのである。このご婦人は、こういう状態にもかかわらず、自転車に乗っているという。

転んだら、寝たきりになるだろうと思う。

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