2010年4月18日日曜日

毛根の脂を取るのかいかがなものか?

 テレビの宣伝で、脱毛の原因は毛根に付着した脂であると盛んに言っている。果たしてそうであろうか? 私は、若い女性の髪の生え際が薄くなっているのを見たら、必ず髪を洗いすぎていませんか? と尋ねることにしている。

 そうすると、ほとんどは、「毎日」という答えが返ってくる。中には、「朝夕」と言う人もいる。

髪を洗うと、産毛(うぶげ)が抜ける。これは、髪の赤ちゃんだから、そっと洗わないといけないし、扱い方は、生まれたての赤ちゃんの髪と同じである。生まれたての赤ちゃんの髪を毎日シャンプーで洗うだろうか?

 逆に、世界一髪の長いインディアンとか、インド人とか(本当にどちらが世界一かわからないが)は、髪は滅多に洗えない。インディアンの場合は、1ヶ月に一度、大人数で洗うのだそうだが、インドの人は、紹介した番組のアナウンサーが、

 もう何年も髪を洗っていないので、猛烈なにおいがするそうです。


と言っていた。毛根に付着した脂質によって脱毛するならば、この人達の髪はとっくの昔に抜け落ちていたはずである。

 ずいぶん前、「朝シャン」というのがはやった時期がある。これもテレビが広めたものである。この「朝シャン」をやっている人は、ほとんど例外なく、毛が薄い。当時、皮膚科に、シャンプーのしすぎが原因で、ひどい脱毛を起こした人がずいぶん診察に来たらしい。こういうひどい状態になった人の多くは、シャンプーの香りを残したいために、すすぎを十分にしなかった人である。

 シャンプーには、防腐剤が入っている。ボディーソープにも入っている。シャンプーもボディーソープも、それそのものが、化学物質である。頭皮によいはずがない。ましてや、産毛に良いはずがない。

 私は、必要以上に髪を洗わない。だいたい3日か4日に一度しか洗わない。

その習慣のおかげだと思うのだが、五十八歳になったいまも白髪はほとんど無く、髪の毛の量は若いときとあまり変わらない。髪型のせいで、生え際が少し後退したくらいである。

 不潔はよろしくない。これは当然である。しかし、過度の清潔志向もよろしくない。「過ぎたるは及ばざるがごとし」である。

 現代の日本人は、病院依存と清潔中毒という、ちょっと病的な状態にあると思う。戦後の日本の社会そのものがそういう方向性をもって発達してきたのであるが、もう、そろそろ方向を修正したほうが良いように思う。

 ついでに書いておくけど、歯磨きは、大豆粒ひとつくらいの大きさを歯ブラシに付ければよい。テレビの宣伝のように、ブラシの端から端まで付ける必要はない.。

 宣伝は教育ではない。売り上げに貢献すればよいのである。

だから、真に受けてはいけないのだ。

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