2010年4月23日金曜日

歯茎が腫れていたむ人

異なる症状、同じ原因で書いたことと同じく、症状は違うが原因はいっしょという例である。こういう症候は、挙げだしたらきりがないほど多い。

 今日来た人は、以前、歯茎が腫れて痛むと言っていた。歯医者には行ったが、痛み止めをくれただけだったという。葉に異常がないのだから、歯医者さんも、ほかに打つ手がない。

 この人には、首と肩の凝りを取る治療をしておいた。

それから、3週間くらいして、腰痛と肩こりで治療に来たのだが、歯茎の痛みと腫れは、その日のうちに、あれよあれよという間に消えていったという。

 まぶたの腫れであれ、歯茎の腫れと痛みであれ、あるいは、首から上の毛細血管の拡張とそれに起因する頭痛にせよ、原因は同じであるから、治療法も同じである。それで効果は十分に現れる。

 もし、治療後にいまひとつ後押しがほしいと思ったときは、近くのドラッグストアにいって、葛根湯と軽い痛み止めともらうように伝えておく。鍼灸師は薬に関しては何も言えないが、薬屋に行ってもらえば問題ない。

 それも、一番安いものでいいと念を押しておく。ブランドにカネを払う必要はない。血流を促進し、炎症を抑える。消炎剤は、1回で十分に効く。葛根湯は、2日くらい飲んだらいい。

 こういう症状で、針治療+葛根湯+消炎剤で、治らなかったという人に出会ったことはない。もし、居たら、すぐに病院で検査してもらうようにアドバイスするだろう。

 そのときは、パラメディカルの領域を越えた本物の病気である怖れがあるからだ。

 以前、全身性エリテマトーデスと診断された人が来た。針で何とかならないかと言う。「それは無理です」と答えた。統合失調症だと診断された家族の治療が出来ないかと言われたこともある。その人には、ある精神科医を紹介した。

 パラメディカルの仕事は、本物の病気と病気ではない病気を振り分け、後者が病気になる前に治してしまうことにある。

 それにしても、ひとつの原因がもたらす多様な症状に、なんと多くの病名がつき、なんと多くの専門科の医師が居ることだろう。

 そういうものは、末梢循環不全症候群として一括して治療すればよいのである。針は、極めて有益な治療法である。この治療を再評価すべきである。

 そうしないと、医療まで、中国に後れを取ることになる。

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