日本人は死んだと思う。
明治維新で死に、日清戦争で死に、日ロ戦争で死に、満州事変で死に、太平洋戦争で死に、B29の絨毯爆撃で死に、2発の原爆で死んだ・・・
軍需工場の社長だった人が、
働きよった者は、みな、警官やら公務員やら、兵役逃れが目的の奴らばかりやった・・・
と言っていた。この社長も、ずいぶん前に亡くなった。
太宰治が檀一雄に、「君は生き残るものの味方なのか?」と言ったことがある。
ある大学教授が、
学者というのは、死んだ人の遺したものを飯のタネにしているようなものでしてね・・・
と言ったことを憶えている。こういう正直な人は、良い仕事をしている。偉そうに権威ぶっている人に限って、業績を調べると、ろくな研究をしていないことが多い。そういう人が好きなのは、学問ではなく、権威なのだ。
日本人は死んだと思う。
私も20年すれば78歳になる。25年生きれば83歳。おおよそそれくらいでこの世とお別れするだろうと思う。
それは、私にとって、密やかな楽しみである。
それまでの人生は、生まれた以上のお務めである。尊敬してやまないS先生の最後のお手紙を胸に抱いて死んでいきたいと思っている。
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