2010年3月9日火曜日

五十肩と局所ジストニア

 病院で「五十肩です」と言われた人は多いと思う。しかし、症状的にはまったく同じように見えても針で治療できる五十肩と、一年から一年半の間、痛みに耐えながら自然治癒を待つしかない五十肩とふた通りあることは、ほとんど知られていない。

両方とも五十肩であることに違いはないので、五十肩のⅠ型とⅡ型というふうに分けてもよいだろう。Ⅰ型が治せる方、Ⅱ型が治せない方。五十肩のⅡ型は、ホントに何をしても治らない。これは、おそらく、ローカルホスト・ジストニアだろうと思う。

おもしろいのは、時期が来ればケロリと治ることである。脳が「あ、まだ肩は上に上げるんだな」ということを理解するのかもしれない。

割合的には、Ⅰ型が8割、Ⅱ型が2割といったところだが、混合型も少なからずある。典型的なⅠ型なら、私は、一回か二回の治療で治せるが、典型的なⅡ型は、

 何をしても時期が来るまでは治りません。

と引導を渡すしかない。中枢からの命令は絶対的であって、末梢をいじってもどうにもならないのだ。せいぜい、痛み止めを使って、仕事ができるように、あるいは、睡眠時間を確保できるようにするしかない。

 この症状が首に出ると痙性斜頸になるのだと思う。これもじつにやっかいで、簡単には治らない。

インターネットは、便利な道具で、こういう難治性の症状の治療を得意にしている治療院を探すこともできるが、全国的にみれも、稀である。運良く近くにあればいいが、遠いと通うのが難しい。

 五十肩のⅠ型を長期間放っておくと、Ⅱ型やⅡ型との混合型にに移行することが多い。その意味でも早期の治療が必要なのだが、だいたいは、数ヶ月以上立ってから治療に来る人が多い。

 耳鳴りやめまいと同様、これも残念な思いをすることが多い疾患である。

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